彼女の細い身体のラインを辿って、彼の唇が下半身に滑り落ちてくる。
シュラが彼女の下着に片手を掛け、もう一方の手で、自分のジーンズの掛けボタンを
外す。力を軽く掛け、彼女の下着を脱がせようとした瞬間、遠くから微かに聞きえてきた
人の話し声にふたりは身を強張らせた。
シュラは彼女から身体を起こし、蔭になっていた茂みから首を少しだし、話し声の主を
確認する。
遠目に確認したその姿はふたり。豪奢な金髪と、それに伴う、紅の長髪。
紛れもなく、その姿はミロとカミュだった。
シュラは慌てて、木に干してあったフェリスの長衣を掴むと、彼女に着せていた自分の
タンクトップを脱がせ、代わりにまだ生乾きの長衣を彼女に着せた。
目敏く、カミュが木の枝に動く白い物を見咎め、首を傾げる。
「どうした? カミュ?」
「いや、何か白い物が動いた気が・・・」
「兎か何かじゃないのか?」
ミロの呆気らかんとした声に、カミュは眉根を寄せる。
「兎が木から飛び降りるわけがなかろう・・・?」
訝しげな表情で足を止めるカミュに、ミロも攣られて歩みを止めた。
その隙に、シュラとフェリスは四つん這いで、焦ってその場を逃げ出す。
ミロとカミュをやり過ごし、シュラの先を這っているフェリスに、彼は目の前で揺れる彼女の
丸みを帯びた双丘に悪戯心で手を這わしてくる。声無き悲鳴を上げ、フェリスは赤面し、
飛び上がる。
「もう! いい加減にしてよ!!」
彼女は潜めた小声で彼を詰り、右足で後ろ蹴りを彼の顔面目掛け放つ。
だが、その蹴りを首を傾け、あっさり避けると、シュラはその足首を掴み、微笑む。
彼女の掴んだ足のふくらはぎに、軽くキスをした。
「じゃじゃ馬、 俺、大〜好き。」
と、語尾にハートマークを散らす。唐突にその彼女の足を放したことで、フェリスは僅かに
つんのめる。
「きゃん!」
小さい悲鳴を上げるフェリスに、シュラは意地の悪そうな笑みを浮かべる。
ミロとカミュから、大分距離を離したのを確認し、辺りに人影が無いのを確認してから