『 嵐の予感 』


カガリとアスランが正式に婚約という、互いが目標としてきた
過程を通過し、ふたりが出会ってから数えて三年という月日が経っていた。
アスラン自身、無事に、電子工学の道で博士号を得る事が出来、
今は、カガリの傍で、政務のノウハウを学ぶべく、行動を共にする日々。
私生活の面では、半同棲に近い現状ではあったが、殆どがお忍び的な
要素を含んでいるのは、あまり知られてはいない関係で現状を維持している。
偶の休み、とは云っても、ふたりで出掛けはしても、半分は休日、半分は視察、
というのが主な事で・・・
復興状況や市民達の生活状態などを観察するのは、やはり自分達の足で
確認することが一番、という結論だったからだ。
カガリの家から然程離れてないアパートで、今はひっそりと暮らすアスランでは
あったが、週末は必ずカガリが尋ねてきてくれる。
まだ、身分の確定がされていない為、その状況に甘んじてはいるのだが、
アスランはカガリが頻繁に訪ねて来てくれることの方が嬉しくて、文句の出よう
はずもなく・・・
何気に、手作りの夕飯を・・・との、彼女の誘いに、オーブの繁華街に位置する
ショッピングモールへと、ふたりは出掛けていったのだ。
「戦争が終わって三年か・・・街も随分賑やかになってきたな・・・」
嬉しそうな笑みを浮べ、彼女は呟く。
「そうなったのだって、全部、カガリの努力の賜物だろ?」
彼女が寝る間も惜しんで、全てを失ってしまったオーブの復興にどれだけの
努力を重ねてきたのか、その実情を知ってるアスランは労いとも取れる言葉を
彼女に紡いだ。
歩きながら、ふと、互いの手先が軽くぶつかった事に、アスランは薄く頬を染め、
言葉を小さく漏らした。
「・・・手・・・繋がないか?」
「えっ!?・・・あ・・・うん・・・」
真っ赤になりながらも、無事に婚約者同士になり、身体の関係だって成立している
ふたりなのに、こういう仕草はまだまだ初々しい。
そっと、互いの手のひらを絡み合わせ、僅かに力の籠もる彼の手が彼女には
堪らなく嬉しかった。
握られてみると、益々自覚してしまう。
彼は大人の男になったのだ、という事を・・・
すっぽりと、自分の手を包み込むくらい大きな手。
肩幅だって、背の高さだって、出会った頃とは比べ物にならないくらい逞しくて・・・
それをもっと近くに感じる事が出来るのは・・・
お互いの肌を合わせた時・・・
カガリにとって、初めて身体を許した相手はアスランだった。
アスランも自分にとってはカガリが初めての相手で・・・
始めの内こそ、慣れない時期は互いが、身体を求め合う時は無我夢中だった。
しかし、行為に慣れ始め、ゆとりのようなものがお互い出来てくると、身体を繋ぎ合わせる、
という行為は『楽しむもの』という意識が芽生えてくる。
勿論、そうする事によって、より深い絆と愛情を確認し合う事にも繋がっていく訳で・・・
アスランも、なんとなく、そっち方面の、いわゆるテクニックというヤツに磨きが掛かって
いる様子にカガリは嬉しい反面、複雑でもあった。
口にこそ出さないが、彼と離れ離れの夜を過ごさなくてはならない日などは、身体が
疼いて仕方ない時もあったりするからだ。
思い切って口に出してしまっても、彼はそういう事を拒んだりはしない事も解ってはいる。
だが、今一歩の前進が彼女には出来なかった。
上回る羞恥心という感情に阻まれて・・・
妙な思考に頭が満載になってる、カガリの表情に気がつき、アスランは首を緩く傾げた。
「顔、赤いけど・・・具合でも悪いの?」
さらりとした、何気ない気遣いではあったが、カガリは慌てて、自分の考えを頭の中から
追い出すように否定の言葉を吐いた事に、彼の不信な表情を買ってしまう。
疑問の拭えない顔つきで、アスランは眉根を寄せた。
話題を切り替えるように、カガリは今夜のメニューのリクエストを彼に伺った。
「・・・ロールキャベツ、食べたいけど、カガリにはまだ作るの無理だろ?」
皮肉な笑みを浮かべる彼に、カガリは突っかかる。
「無理、って言うのはどういう意味だ!?疑うんだったら、特訓の成果見せてやるさ!」
「特訓?」
「今、キラのお母さんのトコで花嫁修業の真っ最中なんだ。」
「そんなの、初耳だぞ。」
「ホントは内緒にしておきたかったけど、あんまり馬鹿にする事、お前が言うから!」
「馬鹿になんかしてないよ。唯、無理じゃない?て、言っただけだろ?」
「そういう言葉が馬鹿にしてるんだ!」
「勘に触ったなら謝る。・・・ごめん。・・・」
「別にイイけど。・・・料理習いに行ってる時さ・・・キラのお母さんが言ってたから。
アスランはロールキャベツが大好物だった、って。・・・だから、一番先に覚えなきゃ、
って思ったんだ。」
にこっ、と眩しい笑顔で彼女は彼を見上げた。
その笑みに相槌を打つように、彼は言葉を零した。
「じゃあ、特訓の成果、今日はぜひ見せてもらいたいな。」
「よ〜し!任せておけ!! 絶対、美味い、って言わせてやるさ!」
くすっ、と彼は嬉しそうに微笑を漏らした。
人目がなければ、彼女を抱き締め、その可愛らしい顔じゅうに唇を落としたい
感覚にすら囚われそうだった。
「期待させていただきます。未来の奥様。」
彼の言葉にカガリは耳まで真っ赤になりながら、俯いてしまった。
「カガリ?」
「・・・奥様、とか言うなよ・・・なんか・・・凄く恥かしい・・・」
「本当の事言っただけだが・・・気に触った?」
呆気らかん、とした表情のアスランに彼女は益々蒸気した顔で俯いてしまう。
可愛いな・・・と、彼は心の中で呟く。
これ以上、彼女に何か言っても、全て過剰反応で捉えてしまうカガリに、僅かに言葉を
控え、表情のみで受け答えするのを彼は決める。
多くを語らなくても、彼女は充分に解ってくれる、と思っていたからだ。
大型のスーパーに入り、今夜のメニューを作る為の材料を選んでいる最中、ふたりの脇を
慌てふためく様子で店の警備の男が駆け抜けていった事にカガリとアスランは顔を見合わせた。
様子を伺っているだけでも、只事でない緊張感が伝わってきたからだ。
それは、勘ともいえるべきものではあったが。
戦場という修羅場を互いに潜り抜けてきたからこそ、察する事の出来る、ある種の空気。
反射的にカガリは警備員の腕を掴むと、何事かと聞き尋ねる。
「カガリ様!?このような処で・・・」
「買い物さ、唯のな。」
オーブの代表者である彼女の顔は国の中では当たり前に知られている事ではあったが、
彼女自身、一般市民となんら変わらないと誇示してるせいで、出掛ける事などに関しては、
特に制限も受けない身の上。
「す、直ぐに、ここから避難なさってください!」
「避難?なんで?」
「ブルーコスモスの残党からの脅迫で、この建物に爆弾を仕掛けた、と先ほどメッセージが」
焦った表情で、男が告げた言葉にふたりは再び顔を見合わせた。
「くそッ!なんて事を・・・」
きつく歯軋りをし、カガリは漸く正常になり掛けた街を、未だテロの目的とする輩の存在に
怒りを禁じえなかった。
オーブは国の理念としてコーディネイターの受け入れを拒否しない体制を敷いている。
当然、そこに住まうコーディネイターたちが、テロの目標であっても、そこにはナチュラルも
混在する場所。
受け入れる事を是とする国柄を排除したい、と考える、歪んだ思想が今回の目的で
ある事は直ぐに解った。
「店に客は何人いる?」
「20名程ですが・・・」
カガリの質問に、警備員は素直に答えた。
「どこでもイイ、店の一箇所に客を集めろ。くれぐれもパニックを起こさせないようにな。」
その彼女の指示に警備員は頷くと、すぐさま実行に移るべく駆け出した。
「なんか、とんでもない休日になったな・・・」
ぼやくように、アスランが口にした言葉にカガリも溜息を漏らした。
「平和になる事を真に望まない輩がこういう馬鹿な事やるんだ。 悔しいよ・・・
なんで解らないんだよッ!!殺したってなにが得られるって言うんだ!?」
「・・・カガリ。」
彼女の苦しさ、辛さが押し寄せてくる事に、アスランは無意識にその身体を抱き締めた。
「とにかく、爆弾を探さないと・・・」
促す彼に、カガリはその腕の中で静かに頷いた。
カガリの指示で集められた客たちには、当然、恐怖と当惑の顔色。
彼女は威厳を持ってその場の混乱を収めた。
まずは、万が一の場合に備え、客たちを建物隅に設置された二階に上がる階段の隙間に
避難させ、掻き集められるだけのありったけのクッションでガードを施す。
インカムで警備室との連絡を密に取れる態勢を整えると、彼女は今の状況を聞きただした。
《なんで防火シャッター降ろしたんだ?》
《解りません。》
「恐らく、混乱が察せたら、自動で降ろせる形で制御コンピューターがハックされているんだろ?
今回は俺たちが偶々いたせいでパニックは極力抑えられたが、訳も解らず事情が明らかになったら?」
「アスラン?」
彼の分析を聞きながら、カガリは真剣な瞳を彼に向ける。
「閉じ込められた、て感じれば、なんとしても開けたくなるのは人の心理だ。・・・短絡に考えても
なにか仕掛けがあるとみて間違いない。 オマケにその方がパニックに拍車が掛かる。
見物する側は楽しいだろうからな。」
犯行グループに対する、彼の皮肉。
《シャッターを開けるには他に方法は?》
《扉横の手動レバーで開けられます。》
警備室からの返信を素直にカガリはアスランに伝えた。
「調べてからだ。」
そう言葉を紡ぎ、彼は彼女を制した。
「迂闊に開けたら、爆発する可能性がある。・・・多分だけど。」
「マジ?」
「あくまでも予測なだけだ。ちゃんと確認するに越した事はないだろ?」
彼は言うや否や、ポケットに携帯していた端末ツールを取り出した。
手動レバーのカバーが取り付けられている場所まで来ると、アスランはカバーを開ける為の
取っ手に端末ツールの端子を取り付ける。
彼は確認する仕草でツール画面に視線を落とした。
「導通確認。 ビンゴだ。 普通にカバー開けたらドカン・・・だな。」
「随分詳しいな・・・」
「軍にいた頃、爆弾処理もカリキュラムに組まれていたから。」
彼女のインカムを取り外し、アスランは警備室に警告する。
《外には警察が来ているだろ?シャッターには触るな、って言ってくれ。トラップがあれば誘爆の
恐れがあるから。》
《わ、解りましたッ!》
焦った返答で、インカムの応対が返ってくるのに、彼は苦笑を浮かべた。
「触らなきゃ、こいつは大丈夫だけど・・・問題は店の中に何発仕掛けられているか・・・」
「あ、それなら爆破予告に一発と・・・」
ふたりの脇に居た、始めに捕まえ、事情を聞いた警備の男が口を開く。
「信用出来る訳ないだろう?事実、ここに出られない為の爆弾があるんだから。」
カガリは呆れ、溜息をついた。
「仕方ない、探すしかないか・・・」
アスランも空を見上げ、溜息を漏らした。
「カガリは客たちと階段の下に行け。後は俺が・・・」
「嫌だッ!私も手伝う! 大体、解体する道具なしでどうするんだ?」
「店にあるもんで間に合うだろ?」
「これ使え。」
するり、と彼女は履いていたスカートをたくし上げると、自分の右腿にとめたホルダーから
マルチナイフを取り出した。
「こんなモン、まだ持ち歩いているのか?」
呆れ、彼は破顔した。
「護身用、とか云って、足首に22口径の銃、持ち歩いてるヤツに言われたくない。」
「なんだ、知ってたんだ。」
こんな光景には極力遭遇はしたくないが、まだ治安が完全に回復した訳ではない。
カガリはこの国にとって、必要な人間。
命を狙われ、ターゲットとされるには充分可能性をひめている存在。
自分と行動を共にする時は、彼女を如何なる害からも護り、防ぐのは彼の無言の
契約だった。
その為には、まだ必要なもの・・・
持ち歩きたくなくても、現状がそうさせない・・・虚しい、と考えながら・・・
「そんじゃ、行きますか・・・」
手分けして、店内を捜索しながら、お互いの連絡は装備として渡されたインカムで
行われた。
《あったか?アスラン?》
《いや・・・》
腕時計を気にしながら、アスランは視線を巡らせ、不信物を捜し求める。
突然、インカムからカガリの緊迫した声が漏れた。
《・・・見つけた。》
その声にアスランは直ぐに彼女の元に駆けつける。
店の中央、陳列棚の影深く、それは不気味に数を刻んでいた。
「デジタル式か・・・爆弾の種類としては解体するのは簡単だけど・・・やっかいだな。」
「なんでだ?」
「最後が問題なんだよ。最後の起爆に繋がるアース線はコイツを作った人間にしか
解らない。・・・間違った方を切断すると爆発するんだ。」
デジタルのカウントは容赦なく、その時を刻んでいる。
「先に、シャッターの方の爆弾を解体する。間に合わなくて爆発する前に客を逃がす。」
言うなり、彼は警備の男を呼びつけた。
彼はシャッターの前までくると、取っ手には触らず扉を壊す方法を提示する。
言われるまま、警備の男が簡単な整備を出来る道具箱を持って駆け戻ってきた。
「ラッキー、電動ドリルが入ってる。」
ドリルのコードを繋ぎ、ある程度の穴がカバー部分に開いた時点でアスランは梃子の
原理を利用し、釘抜きでスチールの板を強引に剥がし取ってしまう。
中には、取っ手と起爆装置を繋ぐアース線が剥き出しに設置されていた。
彼が言った通り、取っ手を廻した瞬間、起爆装置が働くよう爆薬が仕掛けられている。
カガリから借り受けたナイフを手に取ると、アスランは開けた穴から手を差し込み、
冷静な視線でそれを解体し始めた。
15分後、解体が無事に済むと同時に、入り口のシャッターが上がり始める。
「早く客を外に誘導しろ!俺はさっき見つけたヤツを黙らせる!」
走り出す彼を追うように、カガリもアスランを追った。
「馬鹿ッ!なんで着いてくるんだッ!さっさと逃げろッ!!」
「馬鹿馬鹿言うなッ!私も手伝う!」
「お前が居たって邪魔なだけだッ!!」
彼女を逃がす為に彼は態と雑言を吐き捨てた。
カガリが見つけた、もうひとつの爆弾がセットされている場所までくると、彼はその下に
仰向けに潜り込んだ。
素早くカバーを外し、解体作業に取り掛かる。
その様子を伺うようにカガリはアスランの足元に座り込んだ。
「行け、って言ってるだろッ!!」
「嫌だッ!!ここに居るッ!!」
「お前はこの国の首長だろ!?もし、コレが爆発したら死ぬんだぞッ! リーダーとしての
自覚を持てッ!!」
「国も大事だッ!でも、・・・でもッ!!私にとってアスランはもっと大事なんだッ!!」
そのカガリの言葉にアスランは瞳を開いた。
「自分ばかり死に急ぐクセ、・・・どうにかしろよ・・・」
彼女の啜り泣きが彼の足元から聞こえる。
ああ・・・自分はいつも彼女を泣かせてばかりだな・・・と、彼は自嘲的な笑みを零した。
「赤と青・・・カガリならどっちを選ぶ?」
「アスラン?」
「後、20秒・・・選んでくれ・・・カガリ。」
カウントは容赦なく進む。
「選ぶ?私が?」
「こんな事、思っちゃいけないって解ってる。 お前は未来を築く立場の人間だ。
俺を見捨てないお前を凄く嬉しい、って感じてる。・・・犠牲になるなら、俺ひとりで充分だと
思ったんだけどな・・・。」
「・・・カッコイイことばっか言うなよな。・・・結婚式はまだ先だけど、誓いの文句にあるだろ?
『死がふたりを分かつまで・・・』て言葉がさ・・・一緒に居たいんだお前と。・・・アスランと・・・」
「君の事、道連れなんかにしたら、あの世でカガリのお父さんにタコ殴りにされそうだ。」
「たくさん殴られろ。」
目尻に涙を浮かべた苦笑を零し、カガリは言う。
「後、10秒・・・」
「赤だッ!!・・・赤のコードを!」
彼女は叫んだ。
5秒前。
アスランは彼女が告げた色のコードを切断した。
線を切ったと同時に彼は固く眼を瞑る。
ありえるかも知れない、爆風を予期して。
だが、カウントは3秒前で沈黙した。
「・・・と・・・止まった・・・」
はぁ・・・と、息をつくと、彼はぱたり、と力の抜けた手を床に落とす。
息を整えてから、彼はもそもそと棚下から這い出してきた。
「やっぱり・・・カガリに選んでもらって正解。」
涙でぐしゃぐしゃの顔のカガリを見て、彼は思いっきり噴出してしまう。
「酷い顔だな。」
そう言い、お互い座り込んだ格好で、彼は優しく彼女を抱き締めた。
「お前がいけないんだ。」
「俺のせいか?」
「そうだ!!」
「じゃあ、反省します。」
くすっ、と彼は微笑する。
「嘘ばっかついてると、死んだら天国行けないんだからな!」
「嘘?いつ俺が嘘ついた?」
「また・・・私を置いていこうとした。・・・私の事、ちっとも守ってなんかいないじゃないか。」
ああ・・・と思い、彼は苦笑を浮かべた。
「あんまり過去の古傷、弄るなよ。」
戦時中、「彼女を守る」と口にしたアスラン。
だが、その約束もジェネシスを止める前では無効でしかなかった言葉。
「・・・なぁ、カガリ。 ・・・俺、凄く不謹慎な事考えているんだけど・・・言ってイイ?」
「不謹慎な事?」
「今、凄く、カガリを抱きたいんだ。」
「はぁ!?お前、なにを!」
「ん〜・・・これでも結構緊張してたから、緊張から解放されたら、本能満たしたくなっちゃった。」
にっこりと、罪のない笑顔の彼。
極度の緊張、一時は覚悟した死。
それを乗り越え、生きている証を体感できる手っ取り早い方法は・・・
彼にとっては彼女を抱く、という手段だった。
赤面した顔でカガリは酸素不足の金魚の様に、口をぱくぱくさせていた。
「後の事は警察に任せよう。」
立ち上がり、彼は彼女を促す。
さり気に、アスランはカガリの腰に腕を廻した。
「・・・本当にする、のか?」
真っ赤な顔のまま、彼女は上目遣いに彼を見据える。
「嫌?」
緩いアスランの微笑。
完全にノックアウトだ。
毎回、この笑顔に騙される。
何度、騙されれば、気が済むんだッ!!と、心の中で叫んでみても、それはカガリの中での
虚しい遠吠え。
「い、嫌な筈ないだろッ!!」
答えてしまってから・・・必ず後悔。
「じゃあ、決まり。・・・俺の家に行こう。」
誘われ文句は完璧だ。
こういう表情を作る時の彼は、いつになく激しい。
腰が抜けなきゃ良いな・・・と、彼女は漠然と考えていた。








                                        ◆ END ◆





★ さて、久し振りのお題です。(o^<^)o クスッ
なんか、えらく陳腐な内容になってしまいましたが、
やっぱりお題は楽しいですね。(^-^ ) ニコッ
タイトルが設定されていると、構想が組みたて
易いのですよ。・・・しかし、このふたり・・・
歩くとこ歩くとこ、事件が転がり落ちてるのは・・・
気のせい?・・・ま、それが面白いんだが・・・
今回は色々環境設定した中では、初チョイス。
婚約期間中のお話でトライしてみました。
次はどうすんべ〜〜〜α~ (ー.ー") ンーー